10月24日・25日の2日間、東京タワーで開催された
JCA CANDLE AWARD 2026 に参加させていただきました。

以前から一度参加してみたいと思っていたJCAA。

今回はフラワー部門でファイナリストに選出していただき、
「Maison de Fleur(メゾン・ド・フルール)」という作品を展示しました。

今回の作品は、とにかく自分の好きな雰囲気を大切にして、頭の中に思い描いた世界を形にしたものです。

エレガントで華やか。でも、色合いには優しさを残して。

花の繊細さやリアルさにもこだわりながら、Chancy candleらしいフレンチアンティークの世界観を表現しました。

「何を作るか」から、なかなか決まらなかった今回の作品

実は今回、一番時間がかかったのは制作そのものよりも、最初の構想でした。

完全なオリジナルの花を作るのか。
普段販売している花や、レッスンで皆さまに作っていただいているアイテムを取り入れるのか。
いつものChancy candleらしい世界観で作るのか。
それとも、この機会だからこそ、普段とは全く違う一面を見せるのか。

「派手な色を使って、少し格好良い方向に振ってみようかな?」
そんなことも考えました。

でも最終的には、私のことを知ってくださっている方が作品を見た時に、
“Chancy candleらしい!”と思ってもらえるものにしよう。そう決めました。
「こんな作品も作れるんだ!」と思っていただくのは、別の機会でもいい。

初めて参加する今回は、まず自分がずっと大切にしてきた世界観をそのまま作品にしてみようと思いました。
そこで、花瓶やソファ、ドアなど、作品の土台となる部分をフレンチアンティークの雰囲気で統一しました。

いつもの色と、「展示で映える色」との間で

もう一つ、とても悩んだのが色でした。

私が普段好んで使うのは、少し淡めの優しい色。
上品さや柔らかさを感じていただけるような色合わせを大切にしています。

でも今回は、大きな会場にたくさんの作品が並ぶアワードです。
あまり淡い色だけでまとめてしまうと、作品全体が単調に見えてしまったり、広い会場の中で存在感が弱くなってしまうかもしれません。

そこで今回は、アイテム一つひとつの色を少しずつ変え、普段よりも濃い色も取り入れました。

華やかさは出したい。
でも、Chancy candleのイメージから離れ過ぎたくない。
そのバランスを取るのが、とても難しかった部分です。

北海道から東京へ。作品は「作る」だけでは終わりません

そして今回、制作前からずっと考えていたのが、作品をどうやって東京まで運ぶかということでした。

蜜蝋で作ったフラワーキャンドルは、とても繊細です。
花びらが薄いため、ちょっとした衝撃でも欠けたり割れたりすることがあります。

北海道から東京まで運ぶ以上、「作りたい形」だけを考えることはできません。

配送できること。飛行機で持って行けること。そして会場まで無事な状態で届けられること。
そうした制限も考えながら作品を作りました。

荷物は半分を配送し、半分を飛行機で手持ちすることに。

事前に荷物の高さまで確認していたのですが、実際に飛行機に乗ると横に倒して収納しなければならず……。

「割れないで……!」と、かなり心配しながら東京へ向かいました。

配送した分についても、会場で箱を開けるまでは、ちゃんと無事に届いているのか分かりません。
搬入前は、楽しみな気持ちと不安とで、本当にドキドキでした。

8月に作ったダリアが、イベント直前に……

さらに、蜜蝋ならではの予想外の出来事もありました。

ファイナリスト作品の選考のため、8月に作品写真を提出しています。
その時点で一度作品を完成させていたのですが、蜜蝋のフラワーキャンドルは、
時間が経つにつれて状態が変化します。

表面にブルームが起こり、色が少しずつ変化したり、乾燥によって花びらが脆くなったりします。

10月のイベントまでにすべて作り直す時間はなかったため、基本的には8月に制作したものをそのまま持って行く予定でした。

ところがイベント直前。
ダリアの状態を確認しようと、指でほんの少し触れてみたところ……
花びらが、パリパリ、パラパラ……。

まさかの崩壊。
「これは持って行けない……」となり、急遽ダリアを作り直すことになりました。

最後の最後まで気を抜けない制作になりました。

会場でいただいた、嬉しい言葉

そして迎えたJCAA当日。

会場では、初めてお会いする方から、
「ずっとInstagramで見ていました。」と声をかけていただくことが何度かありました。

Instagramや中国のRED(小紅書)で以前から繋がっていた他のキャンドルアーティストさんから、
「会いたかったー!」と言っていただいたことも。

SNSの向こう側にいた方と、こうして実際にお会いできること。
普段は札幌で活動している私にとって、とても嬉しい出来事でした。

作品を見ていただけることはもちろんですが、
日々発信してきたことを、どこかで見てくださっている方がいる。

それを実感できたことも、今回参加して良かったと思えたことの一つです。

会場では、JCA理事のキャンドルジュンさんにも作品を見ていただき、直接評価をいただく機会がありました。

「これは凄い‼」と思う作品ばかり

もちろん、今回一番大きな刺激を受けたのは、会場に並んだたくさんの作品です。

私はフラワー部門でのエントリーだったため、シート状にしたワックスから花びらを一枚一枚作り、
組み立てて花を制作しています。

でも他の部門では、何を作るのか。どんな形にするのか。どんな素材感を表現するのか。
すべて作り手の想像力と感性次第です。

「よくこんなデザインを思いついたなぁ……」と思うような独創的な作品。

そして「よくこれを表現してみようと思ったなぁ……!」
と、制作工程を想像しただけで圧倒されてしまうような作品。

ハンドメイドとは思えないほど完成度の高いものもありました。

中でも特に印象に残ったのが、グランプリを受賞された香港のアーティストさんの作品の一つ、水に生きる金魚。
繊細で、美しくて。
実物を目の前にした時の衝撃は、今でもよく覚えています。
アーティストさん自身もとても素敵な方でした。
(作品はそのうちJCAさんのHPとかで紹介されるはずですー)

そしてACAの先輩方の作品も、それぞれの細部へのこだわりが本当にすごく、
「ここまで色々な方向性から考えて作っているんだ……」
と圧倒されると同時に、とても勉強になりました。

今回は受賞することはできませんでした。
でも、不思議なくらい残念な気持ちはありませんでした。

それよりも、こんな表現ができるんだ。こんな発想があるんだ。
こんな作品を人の手で作ることができるんだ。
という感嘆の気持ちと、それらを実際に自分の目で見ることができた喜びの方が、ずっと大きかったです。

写真で見るのとは全く違う。

実物だからこそ感じられる質感や大きさ、細かな仕上げ、そして作品が持つ空気感。
それを間近で見ることができただけでも、参加した意味があったと感じています。

初参加の私を支えてくれたACAの皆さん

今回、私にとってJCAAは初参加でした。
アワードそのものを楽しめるかな?
ちゃんと設営できるかな?
少しそんな不安もありました。

でも実際には、アートキャンドル協会の仲間や恩師、先輩方と2日間を一緒に過ごし、
設営から撤去までたくさんアドバイスをいただき、手伝っていただきました。

本当に皆さんが優しくて、そして面白くて。
気がつけば、とても楽しい2日間になっていました。

撤去後には、羽田へ向かうまでの少しの時間でお疲れ様会にも参加。
その時には、「やっぱりACA会員で良かった~!」と、思っていました(笑)。

北海道にいると、東京へ行かなければなかなかACAのメンバーと直接交流する機会がありません。
だからこそ、作品を展示したことと同じくらい、皆さんと過ごした時間も今回の大切な思い出になりました。

ACAメンバーのフラワーキャンドルも、それぞれ個性があって、本当にどれも綺麗でした。
たくさんの作品を見た後に改めて思ったのは、

やっぱり私は、フラワーキャンドルが好き。
ということでした。

終わった瞬間に感じたのは、「楽しかった」より先に……

2日間を終え、作品を撤去した時。
一番最初に感じたのは、「終わった……!」という安堵感でした。

今年は企業コラボのキャンドル制作でも、細部まで気を抜くことのできない制作が続き、
そこから今回のJCAA作品の制作へ。

長い間ずっと集中した状態が続いていたので、作品を無事に展示し、撤去まで終えた瞬間、ようやく解放されたような気持ちになりました。

緊張が抜けた途端、どっと疲れも出ました。
でも同時に、「本当に楽しかった!」という気持ちも。

実は作品を作っている最中は、「JCAAへの参加は、最初で最後!」と思っていました。
キャンドルの世界で活動を続けるのだから、1度だけでも経験しておこう!という感じです。

構想を考え、制作し、壊れないように運び、展示する。
思っていた以上に大変でした。

でもACAの皆さんと2日間を過ごし、たくさんの作品を見て、いろいろな方とお話しして。
終わってみると、
「来年も応募してみたいかも……?」と思っている自分がいました。

今回の経験を、これからの作品と教室へ

今回、フラワーキャンドル以外の作品をたくさん見たことで、お花以外のキャンドル制作についても、もう少し真剣にオリジナル作品を作ってみたいという気持ちが生まれました。

レッスンでは花以外のキャンドルも制作していますが、自分の世界観をどんな形で表現できるのか、もう少し掘り下げてみたいと思っています。

そしてもう一つ。
いつかChancy candleの生徒さんにも、このようなイベントに挑戦してもらえたらいいなと思いました。

上手に作ることや賞を取ることだけが目的ではなく、いろいろな作品を実際に見ること。
他の作り手の発想に触れること。
自分とは違う技術や表現を知ること。

そうした経験からたくさん刺激を受けて、「もっと作ってみたい」「もっとキャンドルが好きになった」と思ってもらえたら、とても嬉しいです。

初めて参加したJCA CANDLE AWARD。
制作中は大変なこともたくさんありましたが、終わってみれば、作品制作だけでは得ることのできない経験を
たくさんいただいた2日間でした。

JCA CANDLE AWARDを開催してくださった皆さま。
そして、初参加の私を支えてくださったACAの先生方、先輩方、仲間の皆さん。

会場で作品を見てくださった皆さま。本当にありがとうございました。
また一つ、キャンドル制作の大切な思い出が増えました。